3つのキーワードから見る欧州の英語化

ヨーロッパで英語は通じる?3つのキーワードから見る欧州の英語化

様々な文化を持つ、ヨーロッパの国々。当然使われている言語も様々です。

ところで1992年の欧州連合の誕生以来、日々人と、ものの往来が盛んになるヨーロッパ。何ヶ国語も使いこなす語学の達人もすくなくはありませんが、共通語として多くの人が使用するのは、やはり英語。しかし実際、ヨーロッパでは英語は通じるのでしょうか

今回のブログでは3つのキーワードをもとに、欧州の英語化の現状に迫ります。

それでは皆様、2015年最後のブログをお楽しみください。


英語能力指数


EF Education Firstロゴ留学・語学教育事業を展開する世界最大級の私立教育機関 EF Education Firstは、国別の英語能力指数を毎年公開しています。

11月に2015年の英語能力ランキングが発表されました。日本の順位は全70国中30位で、概評では標準的とされています。ベスト5はスウェーデン・オランダ・デンマーク・ノルウェー・フィンランドということからも分かるように、ランキング上位はヨーロッパの国々で独占されています。

さて皆さん、ここで一つクイズです。

そんな高い英語力を持つヨーロッパの国々ですが、ただ1国だけ、日本よりランキングが下で、「英語能力が低い」という評価を受けてしまった国があります。どこの国だと思いますか?

答えは、ブログの最後でお知らせします!


CEFR


CEFR ロゴ“Common European Framework of Reference for Languages”の略で外国語能力をはかる欧州統一基準です。ヨーロッパで一般的に使われている英語のレベルの指針となるのは英検、TOEFL 、TOEICではなく、このCEFRとなります。現在ヨーロッパの語学学校の多くが、このCEFRに沿ってカリキュラムを組んでいます。

CEFRができた背景には、欧州統合後、人的移動が盛んになり、教育機関や雇用者が言語能力を正確に評価する必要性が出てきたということがあります。例えば以前はロンドンにある企業の人事担当者にとって、ポルトガルの私立語学学校で英語の上級コースを終了した人材の英語能力が実際どのレベルかを客観的に判断するのは難題でした。

CEFRという語学学習における各段階の欧州共通のゴールができたことが、欧州全体の英語教育の盛り上がりにも貢献しているのではないでしょうか。


イマージョン教育~とあるスペインの中学校の例より


スペインのイマージョン教育ヨーロッパの国々の英語力が伸びてきた背景には、その教育も重要な役割を担っています。特にイマージョン教育と呼ばれる、母国語以外の言語で、一般教科を教えるというシステムをとっているところが多いことがあげられます。

ヨーロッパ諸国の中では、あまり英語能力が高くなく、日本とほぼ同レベルと思われるスペインで行われている実際の英語を使ったイマージョン教育を紹介しましょう。

今回とりあげる学校は、スペイン地方都市でカトリック修道院が運営する*コンセルタード(半私立)中学校です。

*コンセルタード:政府の基準を満たし、補助金を受けている私立学校。学費は無料、または低額。

こちらの中学校で今年中学2年生の生徒たちは、英語(3h/週)、英会話(1h/週)に加え、社会(地理・歴史 3h/週)、テクノロジー(情報・技術 3h/週)も英語で受け、週35時間のうちの約3分の1にあたる11時間で英語が使われています。前年度の中学1年次は、社会のかわりに理科(3h/週)が英語で行われていました。

このように年度ごとに英語で行う教科が変わるにも関わらず、生徒たちの混乱も全くといっていいほどなく、普通に授業は進んでいるようです。授業中は正式の発言だけではなく、ちょっと脱線気味の合いの手のような発言も英語で、生徒同志がペアやグループで話す時も完全英語と徹底しています。「消しゴムちょっと貸して」と隣の友達に言うのも英語とのことです。

このようにスムーズに進むのも、この学校では小学校からイマージョン教育をとりいれているため、生徒にとって「英語」というものが特に特別なものではないという環境が上手に作られているからでしょう。

スペインの全ての学校でこのように、理想的なイマージョン教育が行われているわけではありませんが、近年では多くの学校や自治体が英語でのイマージョン教育に取り組んでいます。またなるべく小さなうちから英語に慣れ親しめるように公立校でも幼稚園から英語教育を開始するカリキュラムの制定など、国をあげて英語能力の底上げに力を入れています。


まとめ


データからも分かるように、多くの国々が高い英語能力を持つヨーロッパでは、共通語として英語が通じる度合いはかなり高いといえるでしょう。またスペインのように、現在のレベルが今一つな国々も、未来に向けて英語力を高めようと努力してる様子がうかがえます。この先、ヨーロッパでの英語の重要性はますます高まることでしょう。

ところで、さきほどのクイズ、「ヨーロッパで英語力が一番残念な国」の答えは、ズバリ、「フランス」です。正解の方はいらっしゃいましたか?

さて、2015年も残り少なくなってきました。来週はいよいよ新しい年の幕開けです。本年は、大変お世話になりました。2016年はさらに皆様に役立つ情報をこちらのブログでとりあげていくことができるよう、より一層精進いたします。来年もバーチャルスタッフ JPをよろしくお願いいたします。それでは皆様、よいお年をお過ごしくださいませ。


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