NHKで見た「副業容認への動き」と今後のトレンド

企業の副業容認どこへ向かう?

先日、NHKの経済フロントライン副業容認の動きが広まりつつあるという話題を放送していました。

働き方が多様化している今日、日本の会社の副業禁止は、時代遅れだと常日頃から主張し続けきた私にとって、この特集は非常に興味深いものでした。

番組では、副業容認のIT会社と週末は農業にたずさわる社員を取材し、それぞれの分野のスキルが活かせ、会社員もハッピー、会社もハッピーという話が紹介されていました。

海外に目を向けると、欧米では副業は当たり前です。例えばロンドンで夜UBERを使うと、運転手のほぼ全員が副業です。また小学校の先生の副業率も高く、日本では考えられない勤務校の生徒の家庭教師を行うことも珍しくありません。

個人的に感じることは、非技術系の仕事を持つ人は、業種に関係なく異なった仕事を複数持つことが多いようです。その反面、技能が必要な仕事を持っている人は同じスキルを多方面の仕事に役立てることが多いと感じます。学校の先生が家庭教師や塾の講師をするのは後者のわかりやすい例でしょう。

気になること その1 日本の副業容認率

皆さん、日本の副業容認率をご存知ですか?

なんと2015年2月現在、たったの3.8%経済産業省 平成26年度兼業・副業に係る取組み実態調査事業 報告書)です。高いとか、低いとかいう議論以前の数字です。

この調査によると、全4,513社のうち、副業不可と答えた企業は4375社 (96.2%) 、容認は168社 (3.8%) 、推進に至っては0社 (0%) となっています。

海外の副業容認率の正確なデータはありませんが、私が住むイギリスでは、容認率は50%を超えるのではないかと思います。容認率が3.8%くらいで日本でも企業の間で社員の副業を認める動きが広がっていると言って喜ぶのはまだ早いと言わざるを得ません。

気になること その2 日本の副業のタイプ

副業の目的は人によって様々ですが、大まかに2タイプあると思います。

  • 小遣い稼ぎや、収入重視で仕事内容は何でもいいタイプ
  • 自己のスキルを活かしたり伸ばせる仕事がいいというタイプ

今の日本に必要な副業のタイプは後者です。

豊富な経験や知識でスタートアップ企業や個人起業家をサポートするなど、スキルを持つ人が副業を通し世の中に貢献する機会が多くなれば多くなるほど、結果的に日本企業全体の知力アップにつながります。

しかし現段階では今回の放送で取り上げられていた週末農業のようにお小遣い稼ぎの枠を出ていないケースが多く感じられます。

しかしこの場合、副業者が持つITスキルを使い、農業を効率化させているのであれば、また違ってくるでしょう。

クラウドソーシングから見る日本の副業

副業をクラウドソーシングという側面から見てみましょう。

国内のクラウドソーシングサイトが海外に遅れをとっている理由は前述した副業容認率と副業のタイプに関連性があるのではないでしょうか。

企業側の副業禁止クラウドソーシングサイト側の匿名制度につながり、顔や名前が出ないため小遣い稼ぎのためにはやらせ記事など作成なども厭わないという状態を引き起こしてしまっています。

結果、日本のクラウドソーシング業界の質の低下、クラウドソーシングワーカーの報酬の低下を引き起こすことになります。

クラウドソーシングはスキルを持つ人が副業を通し、社会に貢献する機会のはずではなかったでしょうか?

しかし副業禁止という慣習が日本のクラウドソーシング業界の発展を妨げているばかりではなく、副業の質の低下という負のスパイラルも生み出しています。

私自身、英文契約書の作成、法律のアドバイスなどは、オンラインの人材(スキル)のサポートを受けています。電話調査や英文のアドバイスなどの依頼の経験もあります。弊社のような小さい企業はクラウドソーシングなどでコンタクトをとったオンライン人材(ほとんどが副業者)が貴重な戦力となります。

そもそも、副業禁止は本当に必要なものなのでしょうか。

ぜひ読んでみたい副業禁止についての記事

副業禁止について参考になる記事を紹介します。こちらも読んでいただけると幸いです。

-『副業禁止という悪習を葬り去れ』(大石裕一氏、Huffington Post)

記事リンク:http://www.huffingtonpost.jp/yuichi-oishi/post_4773_b_3242871.html

-『副業の有効性が経営学の世界でも認められてきたよって話。』(ブログ「much better」)

記事リンク:http://risokyo.hatenablog.com/entry/2015/12/10/220515

専門的スキルを持つ人が日本のクラウドソーシングサイトに登録していないわけではないでしょう。

しかし、オンラインの仕事の従事者の多くが専業で、会社に勤めながら副業として登録している人はごく僅かであり、質の面で人材不足といえます。

海外と日本の両方のクラウドソーシングサイトを使ったことがある者としては、日本のオンライン人材産業の遅れを実感しています。

最後に日本の経営者の皆様への提案があります。

最近残業を減らす方向で動いている企業が増えていると聞きます。

残業時間カットに成功した暁には、副業禁止の方針を一度見直しされ、御社スタッフがクラウドソーシングなどで、自分のスキルを世の中に広く活用できるチャンスを提供されてみてはいかがでしょうか。